時給900円で働く30代

限りなく事実寄りのオートフィクションで、登場人物の名前は全て仮名です。

2015-02-04から1日間の記事一覧

第十一回 柿食へば金が失くなり

節分も過ぎ、私はただ春を待ちます。申し訳程度にひとつまみの豆をアパートメントの窓から鬼は外と撒き、数粒の豆を散らかったアパートメントの部屋の中に散らばらないようそろそろと、撒くというよりは一箇所に福は内とこぼし、年の数と言えば三十余りの豆…